前田鎌利『社内プレゼンの資料作成術』

 日本に戻ってきてから、やたらと社内プレゼンの機会が増えた。
 年を重ね、責任も増し、そういった機会が自然と多くなったというのはあるだろう。

 中国にいたときは、プレゼンすべき主なターゲットである現地のトップが身近にいたから、資料をつくりこんでプレゼンするまでもなく、ちょこちょことミーティングするだけで解決していた。その間、ぼくの社内プレゼン力はすっかり鈍ってしまった。

 そこで、ソフトバンクで孫正義氏相手にプレゼンを重ねてきた前田鎌利氏の『社内プレゼンの資料作成術』から学ぼうと一念発起。

 内向きな社内プレゼンを、少しでも効率的に、少しでも効果的に。

 シンプルとロジカル。シンプルかつロジカルな資料をつくりこめば、社内プレゼンは9割成功するというのが本書を貫くポイント。
 5枚から9枚のスライドを3分で終えるシンプルさ。現状報告としての課題と原因、提案としての解決策とその効果という筋道の通ったロジカルさ。そして、そのバックに控えるのが十分なアペンディックス。
 決裁者の視点に立ったこのシンプルかつロジカルなプレゼンによって、一発承認をもぎとる。

 もちろん、具体的な手法もふんだんに紹介されている。

 ひとつだけではなくふたつの案を出し、決裁者に選ばせる。
 スライドのサイズは見栄えがいい16:9ではなく見慣れた4:3にする。
 タイトルやキーメッセージは13文字以内。
 「Zの法則」もしくは「逆L字の法則」に基づいて、グラフとキーメッセージを配置する。
 棒グラフの増加の出発点や減少の終着点を「半分の高さ」に置く。
 ワンカラー効果を活用する。
 決裁者の「利き脳」を意識してプレゼンに臨む。
 決裁者の左目だけを見つめながら話す。

 などなど、すべてはシンプルかつロジカルというキーワードにつながっているから、徹頭徹尾、腹落ちしっぱなしだった。

 残念ながら、社内でこうしたシンプルかつロジカルなプレゼンにはまずお目にかかれないが、だからこその隗よりはじめよ。次のプレゼンが楽しみだ。