横田尚哉『「誰のため?」「何のため?」から考えよう GE流・問題解決の技術「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ』

 「ビジネス選書」で有名な藤井孝一氏の『読書は「アウトプット」が99%』で紹介されていた、「改善士」の横田尚哉氏による「ファンクショナル・アプローチ」が気になっていた。モノやコトの「機能」に着目し、そこから改善を図る。

 いまあるモノやコトには存在する理由、すなわち、機能があるというのは、どこか八百万の神とつながるのか、妙にしっくりくる。興味津々で、その「ファンクショナル・アプローチ」を紐解いてみた。

 努力には、必要な努力と無駄な努力がある。それらを見極めるための2つの質問が、本書のタイトルにも入っている「誰のため?」と「何のため?」だ。「なぜ?」という質問だと、問われた側の意識が過去に向かうし、そもそも、気分が悪い。そうではなく「何のため?」と聞けば、意識が未来に向き、思考を原因から目的に誘導させられる。同じく、「どのように?」だと手段に集中してしまうところ、「何のため?」によって目的にフォーカスさせる。とにかく、「何のために?」が魔法のことばなのだ。

 ファンクショナル・アプローチをざくっと解釈すると、次のようになる。
 いま目にしているあらゆる要素の機能を見出し、まずはそのひとつをターゲットとし、その上位にある機能を発見する。そして、その上位にある機能が必要なくなれば、下位の機能も必要なくなるか、下位の機能は上位の機能の実現に役立っているか、もし下位の機能が機能しなければ、上位の機能はまだ機能しないか、を問いかける。
 これを、最初に見出した数々の要素にも次々と進めていく。そして、それらを「FASTダイアグラム」のかたちにする。
 すると、下位の機能群に漏れが見つかる。すなわち、改善の可能性である。
 同様に、キー・ファンクションが見つかる。そうなると、改善の道は一気に開ける。キー・ファンクションに集中し、その価値を高めていけばいいからだ。

 なぜなぜ分析が枝分かれしたようなものだろうか。なぜを何回もくりかえして本質にたどりつこうとするのは共通しているが、ファンクショナル・アプローチは途中で発見した機能も重視する。すぐにでも試してみたくなるアプローチだが、そこまで一般的な用語になっていないあたり、実践はハードルが高いのかもしれない。