本田賢広『実践!1on1ミーティング』

 「1on1」ということばをよく耳にするようになった。数年間日本にいないうちに、もはや標準語となったのだろうか。

 まだ部門を任される身ではないが、いずれはやってくるそのときに備えて、対話の練習をしておきたい。そこで選んだのが、エグゼクティブ・コーチとして活躍されている本田賢広氏の『実践!1on1ミーティング』だった。

 目前の結果ではなく成果を永続的に出すための関係の質に着目し、まわりが中長期的に輝けるための好循環をつくる。それが1on1ミーティングの目的である。そこでの課題は、「正解」があるであろう解決すべき対象や目的そのものではなく、悩みやキャリアなどの「重要だが緊急ではない」もの、いわゆる第2象限にあるものである。

 序盤は具体的なスケジューリングの方法など、比較的とっかかりやすいテーマが多く、これはぜひやらなきゃという気持ちになる。

 しかし、中盤あたりから雲行きが怪しくなる。お互いのソーシャルスタイルを把握し、タイプごとのコミュニケーションを心がける。YouメッセージではなくIメッセージ。内発的動機づけや勇気づけ。コーチングを通じて、ありたい姿やリソース、アクションプランをひきだす、などなど。正直、ハードルが高い。高すぎる。1on1を提案する自信が読めば読むほどなくなってきた。

 いきなり年上との1on1は厳しいから、まずは年下の誰かに練習につきあってもらうところからはじめなければ。